メトホルミンによる癌予防および治療効果
古い糖尿病治療薬であるメトホルミンに癌の予防、治療効果の研究が示されました。
獣医師の指示なしで推奨するものではありません。
医薬品に限らず副作用を伴いますので、獣医師にご相談ください。
Current cancer drug targets 2025Jan22
癌におけるメトホルミンの予防効果と治療効果:RCTおよびコホート研究のメタ解析
Preventive and Therapeutic effects of Metformin in Cancer: A Meta-Analysis of RCT and Cohort Studies.
Mikiyas Amare Getu, Xianbin Zhang, Jia Wang, Kunpeng Xu, Ying Ying, Li Ma, Peng Gong
概要
背景:メトホルミンのがんリスクおよび患者の生存率に対する効果については、さまざまな個別研究およびメタ分析研究の間で結果に相違がある。そこでわれわれは、メトホルミン使用者におけるがん患者に対するメトホルミンの予防効果および治療効果、ならびに副作用の発生確率を評価するために、包括的で最新のメタ解析を実施した。 方法:このメタアナリシスには、欧州、北米、アジアの1,300,820人が参加した合計18の研究(コホート研究10件、ランダム化比較試験8件)が組み入れられた。 結果:メトホルミンの使用と全生存期間(ハザード比=1.02;95%CI、0.80-1.30)および無増悪生存期間(ハザード比=1.00;95%CI、0.76-1.31)との間に有意な関連は認められなかった。さらに、メトホルミンの副作用に関する要約リスク推定値は介入群と対照群で統計的に有意ではなかった(リスク比=1.11;95%CI、0.94 – 1.31)。しかし、メトホルミンの使用はがんリスクの低下と関連していた(ハザード比=0.90、95%CI、0.86 – 0.94)。 結論:メトホルミンはがん患者の全生存期間および無増悪生存期間を有意に延長するものではないが、がん発生リスクを効果的に低下させる可能性がある。