犬や猫の口腔のケア成分

犬や猫の口腔内ケアに使われる代表的な成分

■ 1. 抗菌・抗プラーク作用を持つ成分

成分名 主な作用 備考・注意点
クロルヘキシジン(Chlorhexidine) 強力な抗菌作用、歯垢形成の抑制 長期使用で歯の着色・味覚変化の可能性あり。猫では刺激に注意
亜鉛(亜鉛アスパラギン酸塩など) 抗菌、抗炎症、口臭予防 一部製品は猫に非推奨。含有量に注意
CPC(塩化セチルピリジニウム) 殺菌・抗プラーク 犬猫向け製品では低濃度で配合。安全性が確認された製品を使用
ラクトペルオキシダーゼ系酵素(グルコースオキシダーゼなど) 唾液の抗菌酵素活性を補助 自然な酵素系で副作用が少なく、猫にも使用される
■ 2. 歯石・歯垢の付着防止成分

成分名 主な作用 備考・注意点
ポリリン酸ナトリウム 歯石沈着の抑制 人用より低濃度。犬猫用として安全性確認済の製品を
ピロリン酸ナトリウム 歯垢形成の初期段階を阻害 製品により刺激性あり。用法を守ること
プロポリス 抗菌・抗酸化、歯垢抑制 自然由来だがアレルギー注意。猫では使用控えることが多い
■ 3. 抗炎症・粘膜保護・口臭対策成分

成分名 主な作用 備考・注意点
アロエベラ 抗炎症、口腔粘膜の修復 猫に対しては製品により注意。少量使用にとどめる
緑茶抽出物(カテキン) 抗菌・抗酸化・消臭 テアフラビンやEGCGを含む。カフェイン含有製品は不可
ユッカ抽出物 腸内フローラ改善・消臭 ペットフードにも利用。猫でのデータは少ない
■ 4. 歯の強化・再石灰化促進

成分名 主な作用 備考・注意点
リン酸カルシウム エナメル質の強化 フードやサプリに添加されることが多い
ヒドロキシアパタイト 歯の再石灰化促進 ナノ粒子は慎重に選ぶ。安全性の高い製品を
■ 5. 酵素・補助的清掃成分

成分名 主な作用 備考・注意点
パパイン・ブロメライン(パパイヤ酵素・パイナップル酵素) 歯垢の分解、たんぱく質除去 過敏反応が起こる可能性があるためパッチテスト推奨
重曹(炭酸水素ナトリウム) 軽度の研磨、口臭抑制 少量使用。高濃度は粘膜刺激やナトリウム過剰に注意
■ 使用上の注意点
キシリトールは犬に有毒:犬にとっては極めて危険で、低血糖・肝障害を引き起こすため絶対に使用禁止です。

猫は嗅覚・味覚が鋭敏で刺激に弱い:成分の香料や苦味が強いと使用を嫌がることが多く、また一部成分(例:アロエ・エッセンシャルオイル類)で肝毒性が懸念されます。

人間用の歯磨き粉はフッ素や界面活性剤を含むことが多く、動物には適していません。