犬と猫のペットにおけるキノコサプリメント②
Turkey tail(ターキー・テイル)
学名 Trametes versicolor(旧名:Coriolus versicolor) という、サルノコシカケ科に属する薬用キノコです。和名では「カワラタケ」と呼ばれています。七色に変化する縞模様が七面鳥の尾羽のように見えるため、英語で「ターキー・テイル」と呼ばれます。
主な薬理作用と科学的エビデンス
1. 免疫調節作用(特にがん補助療法)
β-グルカンを含む多糖体(PSKとPSP) が主成分。
日本ではPSK(クレスチン)が医薬品として承認され、胃がん、大腸がん、乳がんなどの補助療法として用いられています。
免疫細胞(NK細胞、T細胞、マクロファージ)の活性化やサイトカイン産生の促進が確認されています。
代表的な研究例:
PSK(クレスチン)に関する日本の臨床研究(小林ら)では、胃がん術後の生存率を有意に延長。
PSP(中国で研究)は、がん患者の免疫機能の改善やQOL向上に貢献したと報告されています。
2. 抗腫瘍作用
腫瘍微小環境の免疫活性化を通じて抗がん剤との併用効果が示唆されています。
動物モデルや臨床研究で、単独または補助療法として腫瘍の進行を抑制するデータがあります。
3. 抗ウイルス・抗菌作用
PSPはインフルエンザやHSV(単純ヘルペス)ウイルスに対する抑制効果を示した研究があります(in vitro)。
4. 抗酸化作用・腸内フローラ改善
腸管免疫との関連性や、腸内環境の改善作用が示唆されています。
抗酸化酵素の活性促進が観察された動物研究もあります。
Update2025
Pet Summits2025で、Dr. Robert Silver によると、免疫作用、抗腫瘍、抗ウィルス、回復期サポート、骨髄サポートなどが報告されています。