ペットオゾンサミット2025②
ペットに“戦う力”を与える:がん治療におけるオゾン療法の役割
アンドレア・カールソン先生(米国インディアナ州)
1. 経歴とクリニックの紹介
カールソン先生はインディアナ州メリーウィルで「South Lake Animal Hospital」を運営。
2002年にパデュー大学を卒業後、2015年に同病院の院長に就任しました。
獣医鍼灸・中医学・カイロプラクティック・リハビリなど幅広い統合医療資格を持ち、
地域で唯一の統合医療型フルサービス動物病院を実践しています。
2020年にオゾン療法を導入し、自然治癒力を高める治療を積極的に行っています。
2. 症例紹介:Dexter(デクスター)— 前立腺がんの犬
11歳の犬が**前立腺がん(移行上皮癌)**と診断され、余命は1〜2か月と宣告。
飼い主の希望で統合療法を開始し、オゾン療法を週2回実施しました。
併用した治療は以下の通り:
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炭水化物を含まない自然食への切り替え
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CBD製剤による疼痛・炎症コントロール
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免疫を高めるプロバイオティクス・漢方・薬用キノコ
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オゾン直腸注入による全身サポート
結果として、デクスターは8か月間生存し、良好な生活の質を維持したまま
飼い主の結婚式と新婚旅行を一緒に過ごすという目標を達成しました。
3. オゾン療法の基本と臨床応用
カールソン先生のクリニックでは、次のような方法でオゾンを使用しています。
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直腸注入(rectal ozone)
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オゾン化生理食塩水(皮下または静脈補液)
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鼻腔・膣内オゾン注入
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創傷ケアへの局所応用
主な効果:
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酸素利用効率の向上
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炎症・酸化ストレスの軽減
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免疫バランスの調整
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細胞代謝の活性化
これにより、がん、自己免疫疾患、感染症、関節炎、老齢疾患など幅広く効果を発揮します。
4. 他の症例
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ルビー(犬):重度の自己免疫性溶血性貧血。
標準治療で改善せず、オゾン療法追加後3週間でヘマトクリットが回復。
輸血なしで安定を維持。 -
フィネアス(猫):慢性鼻炎・肺炎。
オゾン療法6週間で症状消失。1年以上抗生物質不要に。
これらは、オゾンが抗菌薬依存を減らす新しい選択肢となることを示しています。
5. 予防と生活習慣のアプローチ
がんや慢性病の発症を防ぐために、先生は以下の9つを推奨しています:
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抗酸化食材(ブルーベリー・ブロッコリーなど)を取り入れる
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プロバイオティクス・魚油・関節サポートを習慣化
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免疫ハーブやキノコを周期的に使用
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加工食品を避け、自然食を中心に
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適度な運動と日光浴
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ワクチンや化学物質を最小限に管理(抗体検査で過剰接種を防ぐ)
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避妊・去勢は2歳以降が理想
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睡眠環境を整える(Wi-Fiや明かりを切る)
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感染症やケガを放置しない
6. まとめ
オゾン療法は「がんを治す魔法」ではなく、
「体が自ら治る力を取り戻すためのサポート」。
それは、従来医療と自然療法の橋渡しとなる治療法であり、
動物たちが「より長く、より快適に生きる」ための大切なツールです。
