ペット腸サミット2025⑤
ペットの健康は“食事”から:Dr.ケイティ・ウッドリーが教えるフード改善の基本
【概要】
近年、犬や猫の慢性疾患や皮膚トラブルの背景には「超加工フード(キブル)」の長期摂取が関係していると指摘されています。
本書『Simple Guide to Improving Your Pet’s Food』では、自然食・手作り食・生食など、ペットの体にやさしい「リアルフード」への移行方法を、科学的根拠と実践的ステップで解説しています。
【主なポイント】
1. 新しい食事への移行は“ゆっくり段階的に”
急な切り替えは下痢や嘔吐の原因になります。
3日ごとに新旧フードの割合を変える「9日間ステップ法」で消化器を慣らします。
骨スープやツナ缶を加えて香りづけするなど、嗜好性を高める工夫も効果的です。
2. ドライフードを“少し良くする”工夫
完全な手作りが難しい場合でも、軽く蒸した野菜や加熱肉をトッピングするだけで大きく改善します。
ケールやブロッコリーなどの緑黄色野菜は、がんリスクを90%下げるとの報告も。
さらに、オメガ3脂肪酸を補給することで炎症を抑制し、皮膚や関節を守ります。
3. 避けるべき原材料
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カラギーナン、BHA/BHT、エトキシキンなどの人工保存料
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「Meat meal」「Animal by-products」など曖昧な成分表記
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トウモロコシ副産物や人工香料、甘味料
これらは発がん性やアレルギーの原因になり得ます。ラベルの透明性を重視しましょう。
4. 手作り食の基本
BalanceIT.comなどのレシピ設計ツールを活用し、栄養バランスを数値で確認。
タンパク源や野菜を定期的にローテーションし、「長期的な総和」でバランスを整えます。
サプリメントはあくまで補助として、自然食材を主軸に。
5. 生食(Raw Food)の正しい理解
生食は炎症を減らし、腸や免疫を回復させる“再生の食事”。
肉・骨・内臓・植物・サプリメントを組み合わせ、1週間単位で栄養バランスを取ります。
初心者には Perfectly Rawsome や Primal Pooch などの学習サイトが推奨されています。
6. 推奨ブランドと情報源
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Open Farm、Carna4、Farmina、ZiwiPeak(加熱フード)
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VivaRaw、Darwin’s、Steve’s Real Food(生食)
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情報源:TruthAboutPetFood.com、KeepTheTailWagging.com
【まとめ】
「食事は最良の薬にも、最もゆっくり効く毒にもなる」 — Dr. Katie Woodley
ペットの健康の出発点は「何を食べさせるか」です。
完全な手作りや生食にこだわる必要はありません。
できる範囲で、少しずつリアルフードを取り入れることが、
あなたのペットの寿命と生活の質を大きく変える第一歩となります。
