ペット腸サミット2025⑬

Using Mushrooms for Pet Gut Microbiome and GI Health Boost

Dr. Rob Silver


🦠 1. ペットの腸内マイクロバイオームの重要性

  • 腸内には100兆以上の微生物が存在し、体全体の健康を支える。

  • 約70%の免疫システムは腸に集中している。

  • **腸内細菌のバランス崩壊(ディスバイオシス)**は、炎症・アレルギー・気分障害などを引き起こす。


🍄 2. 機能性キノコによる腸の健康改善

● β-グルカンとプレバイオティクス作用

  • キノコに含まれるβ-グルカンやキチン、テルペン類は善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える。

● ライオンズメーン(ヤマブシタケ)

  • 高繊維で腸内細菌を活性化し、消化を改善。

  • 肥満犬のインスリン抵抗性改善や代謝促進に寄与。

● チャーガ(カバノアナタケ)

  • 抗酸化作用が強く、潰瘍性大腸炎やリーキーガット症候群などのGI疾患に有効。

  • ヘリコバクター・ピロリ菌抑制効果の報告もある。

● ターキーテイル(カワラタケ)

  • **免疫強化の代表株。**多糖ペプチド(PSP)が白血球増加やサイトカイン活性化を促す。

  • Dr. Robert Silverによる臨床試験では、6か月の投与で犬の免疫指標が改善。


🧬 3. 腸と免疫の関係

  • 腸内フローラが免疫システムの約70%を支える。

  • ターキーテイルなどのキノコは、ラクトバチルス属やビフィズス菌を増やし、病原菌防御を強化。

  • 「腸を整えることが最大の免疫強化策」である。


💖 4. キノコとメンタルヘルス(腸脳軸)

● 霊芝(Reishi, Ganoderma lucidum)

  • 「腸脳軸」を介してストレス緩和・情緒安定に寄与。

  • ポリサッカライド成分が腸内環境を整え、抗酸化・抗炎症・インスリン抵抗性改善の効果も。

  • 食事に取り入れる際は、獣医師の監督のもとで慎重に導入することが推奨される。


🥕 5. 腸の修復とサプリメント

  • 高脂肪食は腸機能を悪化させるため、繊維・栄養素・ハーブの補給が重要。

  • グルタミンN-アセチル-D-グルコサミンは腸粘膜修復に有効。

  • ショウガやウコンには抗炎症作用。

  • チコリ根などのプレバイオティクス食材は、腸内善玉菌を増やし代謝を改善。

  • キノコは酸化ストレスを減らし、肝機能改善や腸内細菌バランスを整える「スーパーフード」


🧩 6. 結論

  • 機能性キノコは、ペットの腸・免疫・メンタルの三位一体の健康をサポート。

  • 伝統医学と現代科学の融合により、犬猫の長期的なウェルネスに寄与。

  • 今後、キノコ由来成分の獣医療応用はさらに拡大する可能性がある。