ペット腸サミット2025㉒
What Are The Risks To Dogs That Don’t Have A Healthy Gut Microbiome
Dr. Gary Richter
犬の健康は「腸内環境」に大きく依存しています。
驚くことに、犬の免疫細胞の約70~80%は消化管内に存在し、腸は単なる消化器官ではなく「免疫の中心」となっています。腸内バランスが崩れると、慢性アレルギーや自己免疫疾患などを引き起こす可能性があります。
1. 腸と免疫の関係
腸は犬の免疫システムの要であり、腸内フローラが乱れると全身の健康に悪影響が及びます。
腸内環境の乱れは、慢性的な皮膚疾患、アレルギー、被毛の艶の低下、エネルギー不足などに現れます。
2. 腸内環境悪化の兆候
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下痢や便秘の繰り返し
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食物や環境に対する慢性アレルギー
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皮膚のかゆみ、発疹、ホットスポット
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被毛の艶の低下
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元気のなさ、免疫力低下
3. 腸と脳のつながり(腸―脳軸)
腸内環境は精神面にも影響します。
腸では「セロトニン(幸せホルモン)」や「ドーパミン(やる気ホルモン)」が産生され、これらが気分や行動の安定に寄与します。腸内環境が悪化すると、不安・攻撃性・抑うつ様の行動が見られることがあります。
4. 食事と腸の健康
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加工されていない**フレッシュ・ホールフード(未加工の肉や野菜)**が理想
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完全に切り替えが難しい場合でも、ドライフードに少量の新鮮食材を混ぜるだけで改善が期待できる
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食事の改善は腸内環境の回復と免疫強化に効果的
5. 腸を支えるサプリメント
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プロバイオティクス(善玉菌)とプレバイオティクス(善玉菌の餌)
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オメガ脂肪酸(炎症抑制、皮膚・心血管・腸の健康を促進)
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初乳(コロストラム)(免疫サポート、腸内細菌のバランス改善)
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クレイパウダー(粘土)(腸内の毒素を吸着・排出)
6. 水質と生活習慣
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水道水に含まれる鉛やフッ素が腸内細菌を乱す可能性があるため、浄水器使用または天然水が望ましい
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運動不足は腸の蠕動を弱め、便秘や腸内環境の悪化を招く
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農薬・化学物質・プラスチック製おもちゃなどの毒素は腸内バランスを崩す要因になる
7. 結論
腸は犬の「第2の免疫臓器」と言えるほど重要であり、
70~80%の免疫細胞が集まるこの器官の健康を保つことが、
アレルギーや慢性疾患の予防、そして長寿の鍵となります。
適切な食事、清潔な水、運動、そしてサプリメントの活用が、
犬の腸内バランスと幸福な生活を支える基盤です。
