犬のアレルギー⑬
このセッションでは、「ヒーリング・ベット（癒しの獣医）」として知られるエドワード・バッシングスウェイト博士が、犬のアレルギー症状と「不安（アンキシエティ）」の密接な関係について解説しています。
記事タイトル：心のケアが皮膚を救う？犬のアレルギーと不安の意外な関係
- はじめに：体と心はつながっている
バッシングスウェイト博士は、アレルギーを単なる皮膚の病気としてではなく、体全体のバランスの乱れとして捉えています。特に「不安」や「ストレス」は、アレルギー症状を悪化させる大きな要因となります。
- 不安とアレルギーの「負のループ」
アレルギーと不安の間には、双方向の悪循環が存在します。
- ストレスが炎症を呼ぶ: 犬が不安を感じると、体内でストレスホルモン（コルチゾールなど）が分泌され、免疫システムが乱れます。これにより、通常なら反応しないような刺激に対しても過敏になり、炎症（痒み）が悪化します。
- 痒みが不安を呼ぶ: 常に体が痒いという状態は、犬にとって非常に大きなストレスです。眠れない、休まらないという状況が続くことで、犬はさらに神経質になり、不安症を加速させます。
- 「サイレント・ペイン（隠れた痛み）」の存在
博士が特に強調しているのが、アレルギー症状の影に隠れた**「痛み」**です。
- 筋膜の緊張: 常に体を掻き続けたり、痒みで体をこわばらせたりしている犬は、筋肉や筋膜に慢性的な緊張と痛みを抱えています。
- 痛みと不安: この身体的な痛みが脳を常に刺激し、犬を「闘争・逃走モード（交感神経優位）」にさせ、不安な行動（落ち着きがない、過剰に吠えるなど）を引き起こします。
- 解決策：統合的なアプローチ
アレルギーを管理するためには、薬や食事だけでなく、神経系を落ち着かせるケアが必要です。
- ボディワーク（WEBBメソッド）: 博士が考案した「Whole Energy Body Balance (WEBB)」などの優しいタッチケアは、神経系の緊張を解き、リラックス状態（副交感神経優位）へと導きます。
- 環境の調整: 家族との接し方や生活環境を見直し、犬が「安全だ」と感じられる環境を作ることが、免疫システムの安定に繋がります。
- 飼い主へのメッセージ
「もし愛犬のアレルギーがなかなか良くならないなら、その子の『心』の状態を見てあげてください。リラックスして深く眠れるようになることは、どんな高価なサプリメントよりも皮膚の治癒を助けることがあります。」
記事のまとめ：飼い主へのチェックポイント
- 行動の変化に注目: 痒みが出たときに、同時に怖がりになったり、攻撃的になったりしていないか？
- 睡眠の質: 痒みで夜中に何度も起きていないか？（睡眠不足は不安を増幅させます）
- リラックスタイムの導入: 毎日5分でも、優しく体に触れてリラックスさせる時間を持つ。