炎症性腸疾患と真菌(カンジダ菌)

潰瘍性大腸炎およびクローン病の管理における病因、免疫調節、および予後ツールにおけるカンジダ種の役割

Role of Candida species in pathogenesis, immune regulation, and prognostic tools for managing ulcerative colitis and Crohn’s disease.

Journal
World journal of gastroenterology. 2024 Dec 28;30(48);5212-5220. doi: 10.3748/wjg.v30.i48.5212.

Author
Supriti Patnaik, Siva Sundara Kumar Durairajan, Abhay Kumar Singh, Senthilkumar Krishnamoorthi, Ashok Iyaswamy, Shiva Prasad Mandavi, Rajesh Jeewon, Leonard L Williams

腸内細菌叢は炎症性腸疾患(IBD)の病因と疾患活動性に重要な役割を果たしている。 これまでは細菌マイクロバイオームが研究の中心であったが、最近の研究では宿主の遺伝学や宿主と真菌の相互作用にシフトしてきている。 真菌叢は消化管微生物群集の重要な構成要素であり、免疫調節に重要な役割を果たしている。 真菌類の中でもカンジダ属、特にカンジダ・アルビカンス(C. albicans)は、腸内常在菌と侵入性病原体という2つの役割を担っているため、広く研究されている。 最近の知見によると、C. albicansの様々な菌株は病原性因子にかなりの相違を示し、IBDの病態生理に影響を及ぼしている。 腸内真菌症および抗真菌性粘膜免疫はIBD、特にクローン病(CD)に関連している可能性がある。 本稿では、健常人とクローン病患者における腸内真菌叢の異常と抗真菌免疫について論じる。 IBD発症におけるマイコバイオームの役割に影響する因子について論じ、マイコバイオームに対する理解を深め、特定の真菌集団に関するさらなる研究と標的介入研究を奨励することを目的とした科学界からの重要な貢献に焦点を当てた。 また、World Journal of Gastroenterology誌に掲載されたWuらによるCDの発症における腸内細菌叢の役割に関する最近の研究についても言及している。