犬の口腔内メラノーマ

先日、日本小動物医療センターの学術交流会に参加させて頂きました。

口腔内メラノーマはほとんどが悪性の腫瘍です(まれに高分化型の場合は、比較的予後が良いと言われています。)

転移がなければ、局所治療として、外科、放射線治療、電気化学療法などを第一選択とし、

手術が難しい場合なども全身治療を併用して行います。

全身治療としては、化学療法、分子標的薬、メラノーマワクチン、抗PD-1抗体などが検討されています。

一般に、メラノーマは化学療法に対する反応が悪いと言われています。

今のところ単独での薬剤は効果に乏しいといえます。

限られた治療の選択肢において、ガンの進行を遅らせ、副作用が少なくし、治療効果を最大限に発揮する方法はあります。

胃腸の障害がある場合(あるいは副作用で症状が出る場合)は、薬剤の治療効果が非常に悪くなり、免疫力も低下します。

消化器のケアと食事の選択には気をつけたいところです。

内科療法の場合は、炎症のコントロールが大切になります。

血管新生を阻害する薬剤や消炎鎮痛剤を使うこともあります(薬剤によっては、腎臓の機能が低下するので注意が必要です)。

口の病気の場合、物理的に食事がとれないことや、炎症が原因で食欲が低下するので、

寿命を延ばすためにはこれらのことが重要です。

完治は難しい病気ですが、腫瘍があっても食事や消化器の状態に気を付けながら、オゾン療法、ルペオール、丸山ワクチンなども併用して、術後のQOLを高め、治療的現状維持をすることも大事ではないかと考えています。