ドラメクチンはメラノーマの細胞でアポトーシスを誘発する

ドラメクチンはB16メラノーマ細胞でアポトーシスを誘発する
Doramectin Induces Apoptosis in B16 Melanoma Cells.

Journal Anti-cancer agents in medicinal chemistry. 2025;25(4);244-256.
Author Megan S Crotts, Jena C Jacobs, Robert W Baer, James L Cox

導入/目的:転移性メラノーマは、アポトーシスを介する現在の薬物療法に抵抗性を示す。これは、アポトーシス以外の細胞死経路を介する療法が検討される可能性を示唆している。ドラメクチンは、神経堤起源の別のがんである神経芽腫において、オートファジーを介した増殖抑制により有望な結果を示している。当研究の仮説は、ドラメクチンがB16F10メラノーマ細胞においてオートファジーを誘導するということである。

方法:細胞は、ドラメクチン(15 μM)またはドラメクチンと細胞死阻害剤の組み合わせで処理され、未処理の対照細胞(培地)と比較後、MTT分析で解析された。同様に、ドラメクチン処理におけるオートファジーの関与を検出するため、MDC分析が実施された。フローサイトメトリーとTUNELアッセイを実施し、細胞死に関連する効果を観察した。

結果:ドラメクチン処理細胞のMTT分析では、対照群と比較して細胞増殖の減少が観察された。メラノーマ細胞において、ドラーメクチン処理によりアポトーシスの形態が顕著に認められた。蛍光顕微鏡分析では、オートファジーの増加は検出されなかった。フローサイトメトリー解析では、ドラメクチン処理細胞においてアポトーシスが主要な細胞死の形態であり、一部に壊死が認められた。

結論:ドラメクチンはメラノーマにおいて他の癌種とは異なる新たな細胞死メカニズムを誘導し、メラノーマ治療における有効な抗癌剤として研究すべきである。