ビタミンDの摂取により癌リスクが低減
人間はどのくらいの血中濃度・用量が目安か?
論文を読むと、血中25(OH)Dが 30–40 ng/mL 以上の人で、特に大腸癌などのリスクが低いという報告が多数みられています。
介入試験でよく使われるのは、800–2,000 IU/日、一部の試験では 1,100 IU/日 と比較的高用量(Lappe 2007)がポジティブだったが、再現性は限定的でした。
現在の多くのガイドラインでは、
- 一般成人の耐用上限量:4,000 IU/日(長期でも安全と考えられる限界)
- ただし「癌予防目的で4,000 IUを飲めばよい」と明確に示したRCTは存在しない
実務的には、日光+800〜2,000 IU/日程度のサプリで 25(OH)Dを30–40 ng/mL 程度に維持。これを 骨・全身状態+“おそらく”癌リスクにもプラスに働く可能性がある水準と考える…というスタンスが多いです。
臨床的には、「血中ビタミンDが低すぎる人は、癌リスクが高い」これはほぼコンセンサスです。一方で「サプリでD₃を足せば、誰でも癌発症が大きく減る」というほどのエビデンスはありません。しかし、進行癌・癌死亡のリスク低減、特に大腸癌の予防については「プラスのシグナルがある」ので、欠乏がある人は補正する価値が高いと考えられています。
犬や猫でのビタミンDの摂取についてはどうか?
犬は腸管吸収・代謝・ビタミンD受容体の感受性が高いため、人より中毒が起こりやすいことが知られています。カルシウム上昇(高カルシウム血症)→腎障害→不整脈のリスクがあります。人間の推奨投与量では、中毒症状が出る危険性があります。血液検査での確認も必要になりますので、摂取については獣医師にご相談ください。
注意すべき過剰症のサインは、水を大量に飲む / 尿量増大、食欲低下・嘔吐、筋肉の硬直・不整脈、無気力・ふらつきなどが考えられます。
