ペットのアレルギー
ホリスティックの書籍の解説をします。
「ペットのアレルギーの真実」
ロバート・シルバー著
【著者】
ロバート・シルバー博士(DVM, MS, FACVBM)は、コロラド州立大学卒業の獣医師で、アメリカの統合獣医療(ホリスティックケア)の先駆者。カンナビス(CBD/CBG)や薬用キノコを用いた治療で知られる。
【1. 本書の目的】
犬や猫のアレルギー、皮膚炎、耳疾患、肛門腺炎、足のトラブルを持つペットに対し、現代医学と自然療法を組み合わせて治療する方法を解説。
【2. 現代医学的治療】
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Apoquel™・Cytopoint™などの新薬が登場し、副作用は従来のステロイドより少ないが、長期効果には個体差がある。
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従来の「アレルギー注射」も有効だが改善には時間がかかる。
【3. 症例:プードル「プーチー」】
6歳のプードルが慢性皮膚炎に苦しみ、ステロイドで副作用が出た。
→ 唾液検査(Nutriscan)により食物アレルギーを特定し、栄養補助で改善。
6か月後には正常化。
使用サプリ例(体重65ポンド):注:1ポンドは約0.4536キログラム(kg)
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魚油(EPA+DHA):50mg/ポンド/日
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クエルセチン:150mg × 2回/日
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Reishi・Chaga・Tremella
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PEA:325mg/日
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CBD:0.25–1mg/ポンド × 2回/日(日本では現在CBDには規制がかかっている)
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CBG:0.13mg/ポンド × 2回/日(日本では現在CBGには規制がかかっている)
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亜麻仁油・ボリジ油併用
【4. 皮膚アレルギーの原因とメカニズム】
原因は「食物」「環境(花粉・ダニ・カビ)」「接触性(化学物質)」など。
免疫反応によりヒスタミン放出 → 炎症・かゆみ(pruritis)。
ホットスポットには洗浄後のCBD/CBG外用が有効。
【5. 耳・肛門腺・足の問題】
食物アレルギー由来のことが多い。
耳炎・肛門腺炎・足舐めがセットで見られる。
→ 食事改善と外用ケア、CBD軟膏、保護服などで管理。
【6. 統合療法(Integrative Approach)】
(1) 薬用キノコ
Reishi・Chaga:ヒスタミン抑制
Tremella:保湿・皮膚バリア強化
(2) カンナビノイド(CBD/CBDA/CBG)
犬のアトピーでかゆみ軽減(臨床研究あり)。
CBGはPEAとの併用で相乗効果。
(3) PEA(パルミトイルエタノールアミド)
天然脂質で抗炎症・抗アレルギー・鎮痛・神経保護作用。
犬10mg/kg/日、猫15mg/kg/日 × 8週間で80%改善。
→ ステロイド減量効果あり。
【7. 有効サプリまとめ】
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魚油(EPA+DHA):抗炎症、3か月以上継続
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クエルセチン:抗ヒスタミン、PEAと併用で相乗効果
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GLA(ボリジ油・月見草油):EPA/DHAと併用
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プロバイオティクス群:腸内フローラ改善
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ハーブ:ネトル、ダンデライオン、レッドクローバー、リコリス、ウコンなど
【8. 従来医学との併用】
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ステロイド・免疫抑制剤・抗ヒスタミン薬・Cytopoint™
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除去食・Nutriscanによる食事特定
→ ホリスティック療法と併用することで薬の副作用を軽減し、持続効果を高める。
【9. 結論】
アレルギーは命に関わらないがQOLを著しく低下させる疾患。
食事、免疫、皮膚、腸内環境、ストレスを包括的に整えることが重要。
「ホリスティック獣医」と「一般獣医」が協働することで、最良の治療結果が得られる。
