ペット腸サミット2025⑱

犬をフレッシュフード食に切り替える方法

Kimberly Gauthier

はじめに

犬をフレッシュフード食に切り替えることは、大きな挑戦に感じるかもしれません。しかし多くの飼い主が、アレルギー軽減、消化改善、エネルギー増加などの健康効果を求めて取り組んでいます。
ただし、単にドライフードを生肉に置き換えるだけではなく、栄養バランスの取れた移行計画が必要です。


1. フレッシュフード食の重要性

犬の免疫系の70〜80%は腸内に存在し、腸の健康が全身に影響します。
加工フードに比べ、新鮮な肉・野菜を中心とした食事はガスや下痢を減らし、腸内フローラを整えることが示されています。
長期的には、毛艶の改善、目の輝き、エネルギー増加、寿命延長なども期待できます。


2. フレッシュフードの種類

  • 生食(BARF:Biologically Appropriate Raw Food)
     犬の祖先の食生活に近く、高タンパク・高脂肪。毛艶や歯、皮膚の健康に良いが、衛生管理に注意が必要。

  • 加熱食
     調理した肉・野菜を使用。品質管理がしやすく、安全性が高いが一部の栄養素が減る


3. 切り替え方法

  • クイックスイッチ法:一晩でフレッシュフードに完全切替。若く健康な犬向け。

  • 段階的移行法:数日〜数週間かけて旧フードに新フードを混ぜながら徐々に切替。
     → 消化器トラブルを防ぐため、腸内細菌が慣れる時間を与える。

成功のポイント

  • 高品質の食材を使用する

  • アレルゲンを避ける

  • 必ず獣医の指導のもとで行う


4. バランスの取れた食事を作るには

  • **ミールフォーミュレーター(栄養設計士)**と相談し、年齢・犬種・活動量に合わせた栄養設計を行う。

  • 市販のフレッシュフード(The Honest Kitchen など)を基盤にして自家製メニューを加えるのも良い。

  • 数日〜数週間のスパンで栄養バランスを取ることが大切。


5. サプリメントの役割

  • フィッシュオイル(オメガ3):炎症抑制、被毛・関節・心血管の健康維持。

  • スリッパリーエルム(ニレ樹皮):消化サポート、下痢や嘔吐の軽減。

  • 関節サポート(グルコサミン・コンドロイチン):高齢犬や活動犬の可動性を改善。


6. よくある課題と対処法

  • 好き嫌い:少しずつ新しい食材を混ぜる(25%→50%→75%→100%へ)。

  • 消化不良:スリッパリーエルムやカボチャピューレを追加。

  • 栄養バランスの不均衡:専門家の監修を受ける。

  • コストと手間:時間と費用はかかるが、長期的には医療費削減につながる


結論

フレッシュフード食は、犬の健康・活力・幸福を向上させる有力な方法です。
生食・加熱食いずれの場合も、栄養バランス・サプリメント・移行スピードを意識することが成功の鍵です。
飼い主の努力が、愛犬の「より健康で長い人生」につながります。