丸山ワクチン

丸山ワクチンは、がん治療の補助療法として知られる免疫療法ワクチンです。主成分は結核菌抽出物(Mycobacterium tuberculosis)から得られた特殊な糖脂質です。日本の医師である丸山千里博士**1901-1993年)が1960年代に開発しました。

 

丸山ワクチンの開発背景

丸山博士は結核治療の研究を行っていた際、結核菌の成分が免疫機能を刺激し、腫瘍の成長を抑制する可能性に着目しました。この発見がもとで、免疫機能を調節することによりがん細胞の抑制を図る治療法として「丸山ワクチン」が開発されました。

 

  1. 丸山ワクチンの主な効果メカニズム

丸山ワクチンは免疫調整作用を目的としています。以下の2つの効果が主に期待されています。

  1. マクロファージの活性化
    ワクチンの成分が免疫細胞の一種であるマクロファージを刺激し、がん細胞の攻撃を強化します。
  2. T細胞の免疫応答の調節
    免疫システム全体を調整し、がん細胞の増殖を抑える効果を狙います。

これにより、がんの進行を遅らせたり、再発の予防効果が期待されます。

 

丸山ワクチンの副作用

丸山ワクチンは比較的安全な薬剤とされていますが、以下のような軽微な副作用が報告されています。

  • 注射部位の腫れ、痛み
  • 一時的な発熱
  • 倦怠感

重篤な副作用の報告は少なく、化学療法のような強い副作用はありません。

 

***現在、動物での治験は中止されているので入手することができません***

 

成分的には同じアンサー20(アンサー皮下注20μg)が医薬品として発売されています。

 

アンサー20は、放射線療法による白血球減少症の治療に使用される医薬品で、主成分は結核菌熱水抽出物です。この薬剤は、免疫機能を高め、血液を作る機能を改善する作用があります。

 

主な効果・効能

  • 効果・効能: 放射線療法による白血球減少症
  • 作用: 血液を作る機能を改善し、免疫力を高める

 

副作用

  • 重篤な副作用は少ないとされていますが、投与中は白血球数を定期的に検査し、白血球の推移に留意することが重要です。

 

追記(2025/1/10)

丸山ワクチン単独で特に猫のリンパ腫や肥満細胞腫には著効例がありますが、

犬の癌その他の固形癌では単独では治療としての効果が弱いので、基本的な治療方針を決めたうえで、オプションの治療として相乗効果を狙うやり方が良いと言えます。

動物病院または自宅で、皮下注射を行う治療になりますが、経口投与にはないメリットがあります。

 

具体的な投与方法については、当院までご相談ください。