犬と猫におけるオゾン療法2
がんに対するオゾン療法
オゾン療法(ozone therapy)は、代替医療として注目されている治療法で、特にがん治療への適用が議論されています。
1. オゾン療法の概要
①血液のオゾン化(血液を体外でオゾン化して再注入):大量自家血液オゾン療法、少量自家血液オゾン療法
②直腸投与(ガスとして投与)
③局所注射(オゾンガスや液体の注入):腫瘍の周囲や腹腔内投与など
④オゾン化オイル、オゾン水、オゾン化グリセリン
2. オゾン療法に関する科学的エビデンス
a. 前臨床研究(動物モデル・細胞培養)
酸化ストレスの誘導:オゾンは腫瘍細胞に酸化ストレスを与え、アポトーシス(細胞死)を誘導する可能性があると報告されています。
例: いくつかの研究では、オゾンが乳がんや結腸がんの細胞株で腫瘍増殖を抑制した結果が示されています。
免疫応答の調節:オゾンが一部の免疫細胞(T細胞、ナチュラルキラー細胞)の活性化を促すことが観察されています。
b. 臨床研究(ヒト対象)
イタリアやドイツなどでは、オゾン療法を補助療法としてがん患者に適用した報告。
一部の研究では、化学療法の副作用(倦怠感、神経毒性など)が軽減した.
乳がん患者に対する血液オゾン化療法:QOLが向上し、化学療法の副作用が軽減。
大腸がん患者での併用療法:主治療とオゾン療法を併用することで、腫瘍マーカー(CEA)の一時的な低下が観察された。
末期がん患者への緩和ケア:疼痛が軽減し、睡眠の質が向上。
報告される利点:
①疼痛の軽減
②生活の質(QOL)の向上
③化学療法や放射線療法の副作用軽減