犬のアレルギー⑨
このセッションでは、マーゴ・ローマン博士が、犬のアレルギーに対する画期的な治療法として、オゾン療法とマイクロバイオーム(腸内細菌叢)修復療法の可能性について解説しています 。
記事タイトル:オゾンと細菌の力で治す——アレルギー犬のための先端統合医療
- オゾン療法(Ozone Therapy):超酸素化による治癒
オゾン療法は、97%の純粋な酸素と3%以下のオゾン(O3)を使用する治療法です 。
- 強力な殺菌と治癒力: 細菌、ウイルス、真菌(カビ)を死滅させる効果があり、抗生剤が効かない多剤耐性菌(MRSAなど)の治療にも成果を上げています 。
- 炎症の抑制: 皮膚に酸素を供給し、バランスを整えることで、傷の治癒を劇的に早めます 。
- 脱・抗生剤の切り札: ローマン博士は、歯科処置や傷の治療において、抗生剤の代わりにオゾンを活用することで、犬の体への負担を最小限に抑えています 。
- マイクロバイオーム修復療法:免疫の土台を整える
「免疫システムの80%は腸にある」という考えに基づき、健康な個体の便を移植する**糞便移植(FMT)**などが活用されます 。
- プロバイオティクスとの違い: 市販のサプリメントが数種類の菌しか含まないのに対し、本物のマイクロバイオームには500種以上の菌と1000以上の亜種が共生しており、より根本的な改善が期待できます 。
- 行動や性格への影響: 腸内細菌はホルモン(オキシトシンなど)の生成にも関わっており、移植後に攻撃的な犬が穏やかになるといった行動の変化も見られます 。
- 現代の犬を取り巻く「毒素」のリスク
博士は、日々の生活の中に潜む「マイクロバイオームを破壊するもの」に警鐘を鳴らしています。
- 抗生剤の乱用: たった一度の抗生剤投与が、腸内環境を丸一年(あるいは一生)破壊してしまう可能性があります 。
- 除草剤(グリホサート): 米国の多くのペットフードに含まれるグリホサート(ラウンドアップの主成分)は、それ自体が抗生物質としての特許を持っており、毎日摂取することで免疫を弱らせます 。
- 駆虫薬の影響: フィラリアやノミ・ダニの予防薬(化学物質)も、皮膚や腸の微生物バランスを損なう要因となります 。
- 飼い主へのアドバイスと症例
- 症例(猫のモジョ): 2年半以上も重度のアトピーと痒みに苦しみ、エリザベスカラーを外せなかった猫が、オゾン療法と糞便移植のわずか2日後に痒みが止まり、穏やかな性格を取り戻しました 。
- 新鮮な食事の重要性: 博士は自身の犬たちに、6世代にわたって有機栽培の新鮮な手作り食を与え、マイクロバイオームを保護しています 。
記事のまとめ
「アレルギー症状は、体の内側で起きている免疫パニックの悲鳴です。抗生剤で症状を抑え込むのではなく、オゾンで炎症を鎮め、豊かな細菌叢(マイクロバイオーム)を取り戻すことで、犬の体は自ら治癒する力を発揮し始めます。」
